lapinchicの日記

色々思うままに書いていきます。

愛と誠

愛と誠

愛と誠

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
何故いきなり、観たくなったのか意味不明、急にレンタル店でパケ借り。70年代、大人気だった愛と誠の2012年リメイク版。監督は、三池崇史

リメイクというよりも、パロディに近い。あいだ間に昭和のヒット歌謡曲を登場人物が歌うミュージカル仕立てで、まずは一発目に妻夫木聡が♪やめろと言われても~、今では遅すぎる~と西城秀樹の「激しい恋」を歌う。
        
おお、ひさびさに聴いたと昔の記憶が覚醒するも、現代風にサラッとしてて、あの秀樹の情熱的な感じは全くない。

ほか、ヒロイン早乙女愛に恋する優等生役で斎藤工が♪空に太陽がある限り~、ヒロイン武井咲が♪あの素晴らしい愛をもう一度。それからミュージカルの大俳優、市村正親がヒロインの父親役、母親役で一青窈なども劇中歌う。

歌のシーンは、ストーリーと合っていて、特に武井咲、女裏番長の大野いとのシーンがよかった。大野いとは、この作品だと以外だと普通のきれいな今時の女性という感じだけど、この作品では、おとなしい女性から、悲しい女な裏番感が見事に出ていて、初めてみたけど、「この子誰?」って観終わった後調べるくらい、存在感あった。そんな大野いとが歌う、「夢は夜ひらく」は劇中ぴったりはまっていた。

70年代のオマージュ映画の割には、いかにもカツラな風が吹いても微動だにしない妻夫木の髪型など、造りが荒く、昭和感が薄いため、せっかくのオマージュ映画なのに懐かしさに浸ることがない中、武井咲は、早乙女愛かっとの乙女刈りなロングヘアが、少し古臭い美形の顔立ちと相まって、妙にはまっていた。キャラ的にも、武井咲の真っすぐでかつコミカルなキャラが合う持ち味とマッチしていた。

あと安藤サクラもよい。本当はきれいで可愛い人なのだが、ブスの変な女番長役、見事に演じ切っている。さすが。


そこそこ面白いけれど、突き抜けた感がなく、鑑賞後物足りなさを感じるのは、70年代を現代のセンスと中和して、オマージュ、リメイクしているのに現代のほうが勝ち過ぎているため、懐かしさの要素が薄すぎるせいだろう。そこらへん、アレンジをもっと考えると、面白くなったのかもしれない。音楽をプロデュースしたのが小林武史で、何かオシャレ過ぎるのだ。小林テイストが強すぎる。挿入歌の一青窈のオリジナルや最後のエンディングもかりゆし58、いらない、全部昭和歌謡でまとめたほうがよかったと思う。

子供の頃過ぎて何にも覚えていない愛と誠、昔の3部作を観たくなったという役割としては、いい映画なのかも。