lapinchicの日記

色々思うままに書いていきます。

不倫の恋に苦しむ男たち

不倫の恋で苦しむ男たち (新潮文庫)

不倫の恋で苦しむ男たち (新潮文庫)

 

わたしは不倫をしたことがない。不倫に関して肯定派、否定派、どちらかといわれれば、否定派だろう。
それはモラルの問題からではなく、不倫の恋に関して、胡散臭さを感じてしまうからだ。

こちらなんともいやなタイトル、「不倫の恋に苦しむ男たち」とは、なんともナルシスティックな響き、不倫に苦しんでる男の姿を想像すると、自分に酔った男の姿しか浮かんでこない。

この著書の亀山早苗は男女関係のルポを多く出しているようで、わたしは全く読んだことがないけれど、どれもタイトルが直接的で、人の興味を引きやすいものが多い。
一冊読めば、どういうスタンスのライターさんなのか分かるし、このいやなタイトル、不倫の恋に対してどんなエクスキューズ出来るというのか、わたしの知らない、またはわたしの価値観を変えるような不倫の恋が書いてあるかもしれないから、とりあえず読んでみることにした。

読み終わった感想としては、やっぱりという事例ばっかりで、これまで思っていた不倫像を越える愛の世界など、どこにもなかった。不倫の恋に苦しむ男たちは、やはり不誠実だった。
他の人と恋をする人は、意識の中では、パートナーに問題はないと思っていたとしても、パートナーに不満、それはとても小さいものかもしれないが、ある人なのだと思う。ようは他に目が行く、隙間、理由があるのだ。不満がない人、パートナー好き好き状態の時には、他に目が行くのは難しい。

複数愛、その中でも不倫という結婚してパートナーだけでなく、家族もいる男性の恋のうさんくささは、複数相手を持つことによって、自分を満たすため、バランスを取るためにしているから。
誰か付き合っていても、結婚していても、他の人を好きになることはあるだろう。ただ自分を満たすため、バランスを取るためにしている恋でなければ、そう時間かからず、気持ちはどっちかに決まるだろう。他の人を好きになったのは、パートナーへの不満があるのをはっきり認識し、誰といたいのかはっきりする。それは立場行動としてもはっきりする。どっちかに決まれば、人は苦しまない、悩まない。

結局、複数愛でバランスを取る男は、パートナーシップを持てない男性なのだと思う。
男女関係も人間関係。一番大切なのは信頼だ。男性の生理的な意味から行っての浮気は、まだ許容範囲としよう。パートナーがいながら、他の人と恋をしているようでは、どちらともパートナーシップは育たない。恋もセックスも一人の人と、お互いに信頼を育てあうから生まれる素晴らしい世界があるように思う。

このタイプの男性は、刺激を一番に求めるのだと思う。ようは自己愛の範疇なのだ。だって、複数愛って本質的に誰ひとり幸せにならない。かならず、どちらにも裏切りが存在しながら、進行するから。

最近思うのが、誰かを好きなら、その人を幸せにしているか、幸せになったか、自分が幸せかが、一番大事なように思う。本の中でも、不倫の恋に苦しんでいるという男たちはみな、彼女に対して何もしてやれない、ばかりつぶやいていた。
そしてタイトルのとおり、苦しんでるんだから、幸せなはずがない。

誰かを愛したら、幸せにしたいと形に示せる、行動であらわせる、どんどん示したくなる、行動にあらわしたくなるのが、本当の愛、恋だと思う。お互いに幸せにしたいということを行動にあらわしあい、どんどん幸せにし合っていくのがパートナーシップではないかと思う。
自分の存在行動によって相手が幸せになり、そのことで自分が幸せになる、または相手の存在行動によって自分が幸せになり、結果相手が幸せになるのだ。
自分の行動が相手を幸せにしているかどうかを考えることは、とても大事なことだ。

誰かと恋愛したら、いったん、このことを考えてはどうだろうか?凄い恋のさなかにいると思っていたとしても、何か違うものが見えてくるかもしれない。