lapinchicの日記

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恋なんて贅沢が私に落ちてくるのだろうか?

恋なんて贅沢が私に落ちてくるのだろうか? DVD-BOX
 

「恋なんて贅沢が私に落ちてくるのだろうか? 」は、佐々木希演じる宝池青子という、ちょっと内向的な美大出身の女子の24歳~29歳までの仕事と恋を描いたドラマである。
タイトルに惹かれ、話数も6話と短いので、なんとなく観てみたら大当たりだった。
近年、まれにみるお気に入りのドラマになった。やはり評判も上々で、よかったという感想が多いが、本放送はCS、通常の地上派のドラマ枠では放送していない。

いい年になっても恋愛経験ゼロのヒロインというと、最近人気だった「きょうは会社休みます。」を思い出すが、急に年下のイケメンや「できる男」のイケメンに思われ、たいして問題もないのにあれこれ不安を感じ、妄想するだけの「きょうは・・」より、こちらのほうが全然テーマに見合って、なかなか上手く恋愛が発展しない現実を上手に描いている。

女優としての佐々木希をみるのは初めて。元ヤンのイメージのせいか、あまりいい印象がなかったが、このドラマで好感度が一気にUPした。
こんなかわいい子がもてないってどうよ・・と誰もが思いそうなキャスティングだが、現実でもかわいい子なのに、なかなか幸せな恋愛に縁がない子っている。現代的なルックスは性の対象としては若い男性に縁があっても、付き合うとなると特にこれといった惹きつけられる理由もないせいかいい恋愛に進展しない。恋愛経験の少なさからか、男心をつかむ発言、行動も出来ず、ますます縁遠い。

はじめは地元のやんちゃな鬼畜系男子に片想い(その彼もなかなか上手くいかない恋に苦しんでいるが)、純朴に恋焦がれるも、散々自分勝手な彼につきあったあげく、「俺のこと好きなんだろ?気持ちよくしてくれよ」とフェラを強要される始末。
植物系男子、姥貝くんとは初体験のあとに「なかったことにしてほしい」と棄てられる始末。
全然エロくはないが、セックス描写がなんとなくリアルで、ゴールデンの地上波では描きづらい、やっぱ放映するとなるとせいぜい深夜枠。「きょうは会社休みます。」みたいにミョーに純愛だが、やることはやってる割に描写はファンタジーというのじゃないとゴールデンでは無理か。
連絡が来ては一喜一憂し、期待しては裏切られたり、失望したり。男運ないと嘆きたくなる現実に出会う女性、たくさんいると思う。じつは私もそのひとりではあるから、共感しちゃうのだが。


若い男性の身勝手さで、苦労する若い時代の色恋沙汰がよく出ていて、青子は期待する出来事があっても、なかなか彼氏が出来ない。
そのうち、美大出て就職した小さなデザイン事務所もクビになり、アルバイトでも好きな写真の道に飛び込むも、心身の限界まで頑張ってもむくわれず、ボロボロになってやめる様子など、もはや恋どころじゃなく、日々を生きるのでやっとなくらい壮絶だ。
私の知り合いで写真の道に入り、毎日怒鳴り飛ばされ、蹴られ、その後、日雇いのゆるいアルバイトで生き続ける人になってしまった人を知ってるので、青子の出来事がとてもリアルに感じた。
ブラック企業なんて言葉が流行るくらいの昨今、若い子もそうでない人も、仕事で理不尽で過酷な現実に出会う人も多いと思うから、共感できる人も多いかもしれない。

膣にカビとか、脇の処理などがネタに出たりと、女子の生理的な部分も取り上げ、その格好悪さが親近感を呼ぶ。
最終話のギリギリになって、どうやっても芽がなさそうだった飯田(小泉孝太郎)と、ほっこりと上手くいきそうな感じになって終わる。相手から関心のない存在でもタイミングで縁が出る可能性がある、あきらめちゃいけないって事を少し学んだ。
24歳は世間からみて若いおねーちゃん扱いされる年齢だが、29歳は適齢期も過ぎ、おばさん呼ばわりされてもおかしくない年齢。この間、通り過ぎるのはあっという間だ。さらにそれ以上の年齢になっていくのもあっという間。
女性の生きる厳しい現実を描いたこのドラマ、青子はわたしの心の友となり、わたしの分身のような存在、このドラマはわたしの宝物となって、長く住み続けるだろう。