るろうに剣心

るろうに剣心 通常版 [DVD]

想像した以上によかった。漫画は連載当時、途中まで読んでいてある程度知ってる。
ジャンプの人気漫画は人気作もつまらない作品が多いが、「るろうに剣心」も、話自体は特に目新しいことがなく、オーソドックスなジャンプの明治戦闘もので、次々新キャラが出てきて・・の繰り返し。
いかにも同人女子ウケしそうなかわいい絵柄で、コスプレしたくなるようなキャラのいでたちなどが人気の理由と思っていたが、その舞台設定を上手に再現し、映画化すると見事に傑作に化けた。

「るろうに剣心」は、「人斬り抜刀斎」として恐れられた伝説の剣客緋村剣心のことである。維新後は人を斬らぬことを誓い、人を活かす剣を説く神谷活心流の神谷薫と出会い、時代の激流の中、様々な敵と出会いながら、自分の誓いを守るよう生きる幕末剣客ストーリーである。
やたら闘いで人が死ぬくせに、命の大切さ、人を守ることを説く、いわゆるジャンプの王道なノリの話だが、単純な軸のほうが複雑にならず、分かりやすく、娯楽映画としては丁度いい。そのくらいのほうがアクション、演出の派手さ、画面の魅力が、引き出されてよいのかもしれない。

小柄で三十路前後、茶髪ロンゲの剣心が佐藤健のルックスと見事にはまった。他のキャラも、よくはまってる。この映画で武井咲をはじめて可愛いと思った。
また、ＣＧに頼らない、ジャッキーチェンのスタント歴のあるアクション監督谷垣健治のワイヤー、生アクションの指導、演出の力が大きい。
人気漫画の舞台を借り、世界に誇れる日本発の最高のアクション映画を作ろうという、情熱や志しを強く感じる傑作である。アクションだけでなく、美術、VFX、画面の美しさなど、現在の技術の高いクオリティとあいまって、非常に完成度の高い娯楽作に仕上がった。原作未読の人でも楽しめる。続編も評判がよく、他の２本を見るのがとても楽しみ。