lapinchicの日記

色々思うままに書いていきます。

娚の一生

娚の一生(1) (フラワーコミックスα)

娚の一生(1) (フラワーコミックスα)

 

 

絵の好きな漫画家がいる。山田章博西炯子高野文子とかとか・・。西炯子はかなり前から知っていて、小学館と大手出版社が主戦場なるもプチフラワーという主流でない雑誌だったせいか、絵柄や雰囲気のせいか、なんかマイナーな印象の強い作家さんでした。短編が多く、LoveSong(1993年、プチフラワーコミックス、全1巻) なんか持っていたりしたんですが、そんなに話が面白い訳ではなかったので、画集のような感じで、その後あんまり読もうって思ったことなかったんですよね。

が、ここ近年は長編連載も増え、映画化するようなヒット作品も生み出しビックリ。それがこの「娚の一生」なんですが、枯れ専ブームなどを生み出したりしたらしく、話題だったので気になって一気読みしました。      

豊悦は年齢的には海江田と同じくらいなんだろうけど、枯れ度がイマイチ・・では?、、これは映画の感想、漫画に戻りましょう。

やっぱ絵はきれいです。昔に比べて可愛い絵柄になりましたね。登場人物がインテリで感情の起伏が薄く淡々としたキャラで、主人公も浮世離れしたキャラで、いまひとつ共感や惹きこまれず、序盤は少し退屈しましたが、最後まで読むと、まとまっているし、恋愛に臆病だった二人が心を開き、結ばれていく様子などよく描けていると思います。

わたしがこの作品で面白いと思ったところは、男の人に裏切られて、もう傷つきたくない、人と関わらず静かに暮らしたいと祖母の家のある田舎に来たのに、祖母の教え子という壮年の男性が現れて強引に同居され、アプローチをされる。
人生って往々にして、そういう運気の流れの巡り合わせが多い気がして、そういうところがよく出ていて面白いなぁと思いました。もう人と関わりたくないとか、マイナスな方向性って、成就しないようになってるというか。そういうときほど、逆に人と関わらざるを得ない環境だったりとか、新しい重要な出会いが待っていたりとか、あったりしますよね。
また主人公、堂薗 つぐみが年齢的にも資質的にも、隠居などそうそう出来ない、男性がほっておかない魅力的な女性だったということもあると思います。だから海江田がいなくても地元の男性からのアプローチで苦労しただろうな。
あとは、かつての元彼とスッキリとした決別し、こっちまでスーッとして、よかったですね。


この作品は作者がかつて、一緒になれなかった人がいて、それに決着をつけるために書いたという作者にとって重要な作品だったようです。
人気コミック『娚の一生』が映画化! 漫画家・ 西炯子インタビュー

すごい面白かった!という訳ではないので、触手がポンポンとは伸びそうにはないですが、他の長編作品も機会があれば読んでみようと思います。

 

(ここら辺とか)

 

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