lapinchicの日記

色々思うままに書いていきます。

ボーイフレンド 惣領 冬実

=後世に残したい少女マンガ100選=
小学館の漫画なのに、講談社から発行してるんですねぇ~。いま講談社から連載中だからでしょうか。そんなこと出来るんだ。このカバー絵のごとく、洗練された絵柄で読んでみたかったわ。
      
装丁ですが、当時のコミックと違うものを頭に持ってきて、ごめんなさい。ホントはこれ。

 

なつかしく思う方も多いのでは。


小学館漫画賞を受賞した惣領冬実出世作、ボーイフレンド。少女漫画時代の最高傑作だと思う。
このあと、3-THREE-、MARSと長編のヒットも飛ばすが、話の面白さ、クォリティはこちらにはかなわない。絵はもともと上手いが、その後着実に進化し、野暮ったく大人っぽ過ぎた絵柄は洗練され、女の子はかわいくなって、MARSで少女漫画としての絵柄は完成したと思う。
MARS後は少女漫画を離れ、プラットフォームは青年誌に移ったが、スケール感のある性別を離れた世界へ、絵柄は更に進化しアートの域へ近づきつつある。作者のホームページを見ると、少女漫画に対し抵抗感もあったようだが、私の思い入れのほとんどは少女漫画時代のものだ。

ブレイク前も「ローズティーではじまる」など読み切りで高いクォリティの作品を次々と出し、「ピンクなきみにブルーなぼく」で飛び切り面白いギャグセンスも披露、作品の面白さと、wikiでも書いてある通り、小椋冬美のサヨナラなんていえないを思い起こすペンネームの印象もあって早期に着目してたのですが、この作品でドンとブレイクして、一気にメジャー化し、ペンネーム問題なんか跳ね除け、作家としての地位を確立。

久々に読み返してみたボーイフレンド、やっぱ面白かった。細かな心情、エピソード、しっかり描かれて、ラブストーリーとバスケを通して主人公の成長と上手く絡めて、構成力も見事、完成度が高い。そして若干少女漫画としては大人っぽく、2人が魅かれあっていく過程がドキドキする。
ファッションが80年代で、ダサさを感じることが少し残念かな。バスケのユニフォームもピチピチパンツだし。

さすが、と言わざるを得ない作品であるが、昔も今も面白いけど、好きじゃないという感想はのは変わらなかった。(嫌いじゃないけどね。)

高刀くんはかっこよく、不器用で弱い心情面もしっかり描かれて母性をくすぐられるし、好みのイケメンでツボ。
なのに、この作品を好きじゃないのは、多分、ヒロインの結城 可奈子に嫉妬してしまうのですわ。
漫画を読む時は、自分がヒロインになった気分で読んでドキドキすることもあるんだろうけど、結城 可奈子にはなれない。あまりにも自分とは違い過ぎるからか?

結城 可奈子の姉への嫉妬など醜いドロドロした心情を正直に吐露するエピソードがあったり、優等生然とした自分じゃない正直な欲望を表に出しても、なんか共感できない。結城 可奈子って、そもそも女に好かれるキャラじゃないよね。

丁寧に二人の内面を描いて、抱えている事情や、恋に落ちるまでの展開もしっかり描いているけれども、傍から見ればスペックの高い美男美女のカップルで、お似合いの二人なだけなのだ。
わたしがこの高校に通っていたら、素敵なカップルをうらやみながら「素敵だよねぇ~」と噂しているその他大勢の脇役キャラなのだ。決して、高刀くんのとなりにいることはない。脇役のライバル役、林野 まみにさえなれないだろう。
わたしのようなその他大勢の脇役キャラと、スペックの高い孤高のワイルド不器用キャラ、高刀くんとの恋物語のボーイ腐レンド、誰か作ってくれませんか?