3月の終わりに国立劇場へ、初の歌舞伎観劇に行っておりました。
転職してから忙しくて、全然書く暇なくいまごろ・・。
鉄は熱いうちにといわんがごとく、日が経っているので何を書けばよいのやら。
初の国立劇場は、商業施設の歌舞伎座とか明治座とか新橋演舞場とかと雰囲気違って、地味っていうか、落ち着いた文化施設っていう感じ。お堀の横の閑静なところに建っていて、周りはコンビニひとつございません。
観劇に来たのだけど建物や周りの景観もいいし、レジャーも兼ねれて得した気分。奥のほうに都心のビルなどが見えますが、ここはとても静か。
行こうと思ったきっかけは、スーパー歌舞伎の帰りに東銀座の駅に広告が出ていたのがきっかけ。
一番安い3階の最後列の席が1500円と破格にリーズナブル。それよりちょっといい3階席2500円にしましたが、表情も分かるし、安いけどちゃんと見れる席でした。
わたしの観た回はほぼ満席で、客層も落ち着いた雰囲気。美術館のような趣の施設はとても素敵なのだけど、客席は古い図書館のような匂いで、鼻がムズムズしました。
あとから調べて分かったけど、国立劇場で歌舞伎公演は、今年はこれだけの様子。観れてラッキーでした。
お目当ては短い演目の「菅原伝授手習鑑」のほうでしたが、メインの「切られお富」がとても面白かった。
「菅原伝授手習鑑」は30分くらいの作品で、話は古語で何言ってるのかさっぱりだったけれど、隈取り、見得など、様式美を堪能する演目で、動きや美術、衣装などが素晴らしく、眺めてるだけで楽しめました。話が分からなくても楽しめる丁度いい長さなのがよかったんだと思います。
そして休憩が入り、「切られお富」へ。
こちらも長すぎない丁度いい長さで、世話物というジャンルだそうです。
こちらは普通に何を言ってるか分かるし、話も分かるので、芝居として普通に楽しめました。
主役のお富は切られまくってるし、最後は切りまくるし、すごい話だったけど、面白かったです。
お富は最後お金のために人を切りまくるすごい女性だけど、自分の欲ではなく全ては男のため。だけど、その男には何も要求せず、と控えめで一途なんだな。男、与三郎もこれだけのことをしてもらって、ありがとうだけかよ、と突っ込みたくなる。
笑わそうとするような過剰な演出などなくても、場によっては笑いが起きたり、最後の風景変わる演出なんか、客席がおおっとなる反応してた。観にいった人のほとんどが楽しめて帰れたのではないかと思います。
昔から何回も繰り返し上演されてきた演目の完成度の高さを感じました。変なお話ではあるのですが。
劇場内は食堂が数箇所あり、幕間の休憩にご飯食べるには困らないけど、売店で飢えをしのぐには何もなさ過ぎ。
お金をかけたくないんで、食堂には行かず、売店で買った懐かしのチョコ、アーモンドチョコ200円とお茶100円でしのぎました。
帰りはお堀を散歩して帰るのもよさそうでしたが、ランナーが多くて、うっとうしいのですぐに帰りました。
普段は踊りの発表会ばっかりで、立派な劇場なのにもったいない感じ。また行きたいんだけどなあ~。
3月歌舞伎公演「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)-車引-」「處女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし)-切られお富-」