lapinchicの日記

色々思うままに書いていきます。

超・断捨離

「断捨離」というのが流行っていたのは知っていたけど、あまり好きじゃなかった。日本の美徳として、「もったいない」精神、物を大切に長く使う信条だった私は、生きる年数が増える=物が増えるだった。

分かってはいてもお気に入りのものをひとつひとつ増やした結果だと思って、どれも大切にしていた。が、去年の秋、それをくつがえす出来事が発覚。

いまの住居に住んで3年になる。ここで3回夏を越した。ほぼ新築で、広いロフトがあるせいで、都内なのにたぶん合計の床面積が30㎡はある。一人暮らしでは広すぎる床面積だ。それをわたしのような貧乏でも住める家賃で借りれたのは、日照ゼロの物件だからだ。

1Fだし、窓を開けると至近距離に向かいの住居の玄関が並び、眺めはない。向かいの建物が近いので、窓を開けてても陽はない。セキュリティの面からいっても、ほぼ鉄板シャッターを閉めっぱなし。開けることはほとんどない。なので、昼間もずっと部屋は電気つけっぱなしだ。

特に湿気を強く感じたりはしなかったのに、やはり風通しのないせいか、この3年で持ち物の大半が傷んでしまった。

はっきり書くと、結構カビた(笑)。最初はリカバーすることを考えたけど、少しでもおかしいものは、よほどのことがない限り、全部捨てることにした。わたしはきれい好きな性格なのである。きれい好きなら、そんなカビが生える住居に長く住むなよ・・と思うけど。

最初はつらいと思いながら捨てだしたけど、傷んだものはしまいっぱなしのものがほとんど。しまいぱなしということは、使わないということである。確かにわたしは使わないものに囲まれていた。

ふだん生活するのに必要なものって限られていて、ある動線以外、じつはほとんどいじらないことに気づく。今回のことでとても分かったのが、ものがありすぎるとどこに収めるか考えるのも手間も大変だし、使いやすい場所にしまったつもりでも、ほとんどの場所はなぜかさわらない。

取り出すのにちょっとでも動かす必要のある場所は動かさない。かがんだり、いすを使うようなところは、ほととんど開かずの間になる。

ものが多いと引越しするときの荷造りも大変だし、引っ越してから部屋をつくるのものも大変だ。

ものが少ないって結構いいのかも・・・と思い出してから、わたしの「超・断捨離」が始まった。

捨てるものも多かったけど、売れるものはなるべく売った。何回もブックオフを往復した。リサイクルショップ、オークションも利用する。文書、雑誌は必要なところがあったら、スキャナでデジタル化。高校のときの美術の教材のプリント、これはとても大事でずっと持ち歩いてたけど、紙もそうとう傷んでた。デジタル化するのに400ページもあり、すごい大変だったが取り込んだ。

洋服は煮沸消毒を沢山したし、コインランドリーなども結構お金かかった。

きれいなものもアルコール消毒で結構ふいた(きれい好き)。素手でやったので寒かった。そして手荒れした。

生きてきて今ほど持ち物について、考えた機会はなかった。ほんとにめいっぱい感じた。考えた。

こんな素材まで、こんなものまで傷むのか・・というのを沢山発見し、すべてのものは存在した瞬間から傷み始めるのだとはじめて知った。

世の中のアンティーク、デッドストックなど、時間の経ったものを商品価値として維持するというのは、とても大変なことだったのだと知る。

なので自分が所有したものは手入れできる範囲で所有するべきだということ、そして将来的に年老いること、自分が死を迎えることを考えて物を管理することの重要性をとても感じた。

気づいてみると、いざという場合は全ての持ち物とさよならするのも仕方ないと思える自分と出会えた。

大切なものは色々あるし、明日から急に裸で暮らすわけにも行かないので、ものは必要だけど、それまでこれがなくなったらどうしよう・・とかこれは絶対捨てられない!と思ってた執着のようなものを手放すことが出来たと思う。

なんだろう、ショック療法だったのか、カビて大切に思ってたものを捨てていくうちに、執着も捨てていけたのかな?

そうしていくうちに最後、身ひとつであの世に行くことを実感するようになって、その際、自分の持ち物に執着したまま、あの世に行ったら大変だものね・・、と感じるようになれた感じ。

いまは持ち物に執着しないで、ものを大切に出来るようになったと思う。わたしの場合執着してたのが、安物のものばかりだったけど、人によってはお金であったりとか、宝石であったりとか、ブランド品だとか、色々大変な人いっぱいいそうだな。

そして日当たりのいい物件は高くなるけど、日光もお金で買う価値があるってことなんだよね。超夜型人間のわたしですが、人が健康な住居、生活として陽の光のありがたみをこの3年でとても分かった。

というので、いまめいっぱい引越し考えています。この部屋に住んでショックなこといっぱいあったけど、学んだことは大きかった・・、などど悟ってる場合じゃない。何とか健康に暮らせる部屋に移らねば。

こんなところにずっといたら、最後はわたしがカビちゃう・・。シャレじゃなくてホントにそうだろうから怖い。

この部屋では死にたくない!な、なんとか脱出だ!