lapinchicの日記

色々思うままに書いていきます。

よしまさこ 潮風がいっぱい

※2017.3追記
な、なんと~、この記事を書いた後、「潮風がいっぱい」のコミックスが再版されました!

2016年10月に刊行されたようで、わたしがこちらを書いた1年後くらいですね。
まぁ、こんな弱小ブログの記事の影響で刊行されたわけではないですが、うれしいし、驚きです(*^-^*)✨💗

興陽館 という出版社からで、集英社からではないんですね~。
この出版社、漫画作品はほとんど刊行しておらず、「もう一度あいたい蔵出しベスト」という名で出ていますが、よしまさこのこの一冊以外にはなつかし漫画を取り扱いしておらず、「なぜ?よしまさこだけ??」と思うくらい不思議な存在になっています。出版社の人がすごーーくこの作品を好きだったとかしか考えられない。

ついでに電子化もされ、読むなら今がチャンス。わたしに世の中に広める訴求力があったら、どんなにいいかと思ってしまします。懐かしからでなく、未読の方にぜひぜひ読んでもらいたい。


『潮風がいっぱい』よしまさこ _ まんがのほし

『まんが家さんが話してくれました』VOL.2「よしまさこさん」
『まんが家さんが話してくれました』VOL.2「よしまさこさん」第二回
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せつなすぎる よしまさこ~蔵出しベスト(まんがのほしCOMICS)

 

 

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(で、ここからが元々の記事。)

 

引越しをした後、なつかしいマンガが出てきたので、ひさびさに読みふけった。
よしまさこの初期の作品たち。どれも気に入ってて手放さず、いまだに持っているが、


特に右の潮風がいっぱいが好きだった。久しぶりに読んだが、傑作。

 

時系列でいうと、一番左の「僕達のモーツァルト」が一番後に刊行されたようだが、「潮風がいっぱい」の方が、後の作品。

 

1年くらいの差だが、絵がシンプルでおしゃれになり個性が出た。乙女チックとは異なる路線を感じさせる絵柄で、垢抜けた「潮風がいっぱい」。

潮風以前、よしまさこの超初期の作風はいまのおしゃれ漫画家のイメージとは程遠くダサく古臭い(-_-;)。

 

よしまさこは、甘い胸キュンというよりシニカルで冷めた作風で、この時代の漫画ではかなり変わった印象だったとおもう。

絵を眺めてるとさっぱりとシンプルな絵柄が、IMOSEの中野純子を思わせる。
少女漫画を離れ、その後はおしゃれ女性漫画誌の看板作家に転身し今日に至るものの、中野純子みたいに青年誌などに移行するポテンシャルもあったのかなぁ・・と思ったりした。

 

 

さて、タイトルにも選んだ「潮風がいっぱい」に戻る。

 

感想を書いたとしても廃盤で、電子化もされていない現在、古本でないと読めない状態。新規の開拓は難しいだろうが、話がよすぎて読まれないのが残念。※冒頭の追記のごとく電子化されました!


お話は主人公が高校生ながらに複雑な事情の相手に恋をし、いったん両想いなるもキツイ理由でフラれるまでの話。


乙女チックでない、体育会系の元気ギャルが主人公で、普通にいそうなリアルな感じキャラクターがいい。この時代のヒロインとしてはめずらしく、新鮮だった。

 

そして文科系のメガネ似合う男子が自分の落とし物を一緒に探してくれて、ひとめぼれ。その人を追って、潮風いっぱいの高校に入り、その人の妹と同じクラスになる。


「なんとなくこの子を見てると自信がわく・・」という冴えない妹、妙子もクラスにいる大人しい子、こういうコいるいる・・とリアルでよい。


リアルでいそうだけれど、マンガではあんまり見かけないキャラを出してくるのが、よしまさこの魅力。その妹が恋のライバルで、冴えない子に負けるのが痛くて、重くて、胸を貫くのだ。


ネタバレになるから、このくらいまでも(これも十分ネタバレか💦)、なかなか手痛い恋の結末を嫌な感じでなく、素敵にまとめていて何回読んでも面白く、秀逸なストーリーだとつくづく思う。実写映画化してもはまりそう。

 



また、「僕達のモーツァルト」に収録された「泣きたいほどの空」は、これもまた少女漫画ではめずらしいモテ女子のゆがんだ心情を描いた秀作でおもしろい。
「春・る・る・る」の収録作「星のステーション」は全然共感出来ない性格ブスが主役で、当時めずらしい印象のある作品だった。

よしまさこは「BOOBOO」位までしか読んでいなかったけれど、すっかりおしゃれ系漫画になった現在の作品も読んでみたくなった。いろいろ探して見ようと思う。


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