lapinchicの日記

色々思うままに書いていきます。

白鳥麗子でございます!

2回もドラマ化、映画化とメディア化しており、知名度抜群の少女漫画ですが、果たして通しで全巻読んだよとってどのくらいいるのだろう。 私の場合、1巻だけを長い事所有しており、それ以外は持っておらず、読んでなかった。通しで読んでみようと、大人買いで全巻一気にまとめ読み。

 

 

 

鈴木由美子は80年代バブル期の風刺に特化しており、ギャルやイケイケ女など、あまり少女漫画で取り扱わないタイプのお軽そうにみえるキャラの内面や生活や恋愛、性などを上手く表現しており、独自のスタンスで他にはない稀有な才能を発揮した作家である。作品のほとんどがドラマなど実写化されている点もすごい。

ブレイクはこの「白鳥麗子でございます!」だが、それ以前に書いた読み切り「私の男に手を出すな!!!」で、その後の活躍を予感させるセンスを発揮しており、当時この読み切りを読んだ時から注目している作家だった。

さて、今回初めてトータルで読んでみた「白鳥麗子でございます!」だが、主人公の麗子は高飛車お嬢様キャラとのことだが、片想いしている男性に対して、恥ずかしくて素直に気持ちをあらわせないところや、自意識過剰で、視野が浅く経験不足のため起こる勘違いの心理など、普通の若い年齢の時分に起きやすいところが多々ある為、かつて読んだ時は、結構共感しながら読めるところが多かった。今読むと、老獪してしまっているため、あまりハマれないというか。全然、離れてしまっているのを感じる。

頭から全て読んでみると、麗子はかなり自分勝手で、お嬢様という割には成金っぽい家柄で品がなく、共感するというよりもワガママ過ぎでついていけず、最後のほうはちょっと疲れてしまった。「新・白鳥麗子」にいたっては、絵も話も荒れ気味で、完成度でいうとイマイチ、他の作品のほうが完成度の高いものがあるかもしれないけれど、20歳過ぎの若者の恋愛や性をギャグにからめて赤裸々に風刺し、この時代の漫画のエポックメイキングとしての役割、パワーなどにおいては、作者の作品では一番かもと思う。

コミックスに入っている読み切りなどから推察して、作者鈴木由美子は外見と内面のギャップ、見た目の美醜などにこだわりをもって、作品を描いているようである。
ギャグとしての表現力はあるが、絵柄に魅力がないせいもあって、男性キャラの魅力がないのが残念。哲也などは、連載当時でさえもファッション最悪でダサいと思っていた。世の中のどこら辺にいる位置づけのキャラか不明、麗子を一途に思い続けるだけの記号としてしか見れず、もう少し哲也に惚れられれば、この漫画の面白さもまた変わったかもしれない。最近は全然、作品を発表していないようだが、今の時代に描いたら、どんな作品が生まれるのか楽しみに感じる作者なだけに、また筆を取ってくれることを期待したい。

鈴木由美子@白鳥麗子(@suzuki_yumiko)さん | Twitter