最近フレンドについて書いたので、好きだった作家、伊藤ゆうを書いときたい。
年数を振り返ると、思ったより短い印象だが、非常に息の長い印象の作家で、いにしえの少女漫画創世記から、紡木たく移行の新しい波に乗り、活躍時期は1980年代から1997年くらいまでと、その間15年以上も別フレで長く看板続けられた作家は、あんまりいなかったのでは??
他誌なら15年以上、看板を張り続ける作家は沢山いるが、1995年前後のフレンドというと、ちはやふるの末次由紀、80年代半ばデビューの上田美和、池沢理美、三浦実子、他誌から大物惣領冬実 のMARSなどの連載が始まり、同じ年代のフレンドの看板だった美村あきのもこのころはBELOVEなどに移り、瀬戸みのり、さこう栄、まさき輝などはすでにフレンドから離れ、真柴ひろみなどは残っていたが、とにかくだいぶ入れ替わっていた。
「39℃ショック」くらいから、絵柄に紡木たくテイストを取り入れ、女の子キャラは可愛くなり、いにしえの作家から時代の波に乗って進化した時期があった。その後、目がデカくなりすぎて、絵柄劣化し、2004年ころから新作の話は聞かない。
調べるとなんと、「あいつがララバイ」の楠みちはるの奥さまで、同じフレンドの看板漫画家、真柴ひろみのブログによると出産、子育ての為、しばらく書かないつもりと話があったという。
写真は「39℃ショック」以降の作品ばかりですが、以前から持っていたのではなく、最近読もうと再購入たもの。わたしは「39℃ショック」以前の伊藤ゆうが好きで、度重なる引っ越しでコミックは手元を離れてしまってますが、だいたい持ってました。もう手元にないし、電子書籍化もされてないため再読は困難で、レビューは出来ませんが、中でも好きだったのは「シンデレラたいむ」「気まぐれジョーカー」かな。
絵柄は「Dear」あたりが一番かわいいですが、話は「39℃ショック」以降、やたらヒステリックで自意識過剰な主人公とあまり面白くなく、絵は好きだけど話は昔のほうが好きという、複雑な感じで読んでましたね。
伊藤ゆうは、少女漫画オンリーで、めずらしくレディースには行かなかった作家さん(多分)。ザ・少女漫画家なのだ。
古いコミックは、Amazonですらインデックスされなくなってきてますが、フレンドの看板として、知名度はあった作家の為、もっと取り扱ってくれることを希望。
~ 著作リスト ~
ずっこけ委員長 1980年4月
あじさい気分は恋人さん 1982年2月
ヘッドフォンララバイ 1982年6月
フルーツバスケット 1982年11月
思いっきりトマト 1983年5月
シンデレラたいむ 1984年1月
気まぐれジョーカー(全2巻) 1984年11月
ふわり蒼空 1985年6月
まっ赤なキャベツ(全4巻) 1985年12月
Skip!(全2巻) 1987年12月
39℃ショック(全3巻) 1988年6月 ※1999年文庫化
やったぜ Baby!(全3巻) 1989年10月
ダイナマイトキッス(全4巻) 1990年2月
Dear(全2巻) 1991年10月
1000の鼓動(全2巻) 1992年12月
天使のDeja-Vu 1993年4月
悲しみよ こんにちは(全2巻) 1993年10月
人魚姫2001―AQUA―(全3巻) 1997年8月
バツ彼 2004年10月