lapinchicの日記

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ピースオブケイク

 

ピース オブ ケイク

ピース オブ ケイク

  • 発売日: 2016/02/02
  • メディア: Prime Video
 

 ダメじゃない恋愛のコツ
原作未読、原作はいわゆる女性向けオシャレH路線漫画、南Q太とか、小野塚カホリとか、魚喃キリコとか、そういうカテゴリーになるんじゃないかと思うんだけど、原作者のジョージ朝倉は、ちゃんど読んだことないんだよね。この作品だけフィールヤングで、フレンドが主戦場のようなので、他の漫画はもっと幼い路線なのかな。               


女性漫画を原作にした映画で観たことがあるのは、南Q太さよならみどりちゃん。作者南Q太は好きで、かなり読んでおり、原作ももちろん読んでいるのだけど、南Q太のゆるい若者達のふわふわ感の全くない、自分に冷たい男の都合のいい女になってしまった真面目女の話っていう感じで、映画の雰囲気も80年代の学生の自主映画のようで、いまいちだった。

こちらはそういう古臭さはなく、ヤングレディース女性映画って感じで、ゆるいふわふわ感が出てて、綺麗でかわいいし、途中までとても面白かった。
性的にユルいと自認している主人公が、男を二股かけてすったもんだし、男と別れ、仕事も恋愛もちゃんとしようと、引っ越して来たアパートの隣人に一目惚れ。しかもバイトしよう面接に行ったレンタルビデオ店の店長だったという偶然。運命を感じるも、店長は同棲中の美人の彼女がいる。
それでも好きで、彼女が部屋から店長を置いて出て行った時に、はけ口を志願し、それをきっかけに付き合うこことに。基本明るいトーンの強い片想いの話なのだが。


綾野剛演じる店長、フツーにいい人なんですよ。悪い男じゃない。メンヘラの美人の作家志望の彼女を大事にし、彼女が自分に教えていたのは偽名だったと知り傷つき、その後付き合うようになった多部ちゃんこと志乃の明るさ、可愛さに惹かれていき、とても大切にする。二人の付き合っている様子とか、すっごくいい感じで、とても幸せそうで、映画ながらに滅茶苦茶うらやましかったもの。熱海着いた頃とか。

出て行った彼女が戻って来たが、窓を閉め抵抗したし、その後関わった理由も、急に出ていかれてちゃんとケリがついていない、整理ついてないと、ちゃんと自分の気持ちを説明している。
彼女もち前提で好きになり、出て行った事情込みで付き合ったのに、二人が繋がっているのを知った時、別れてしまうほどの多部ちゃんの怒りっぷりには、心理的についていけず置いてけぼり。
その後、離れている間にお仕事頑張り、自分の好きな事でトントンと上手く成長し、お仕事順調エピソードは、安っぽい映画やドラマでありがちで、ここらへんも少しドン引きし置いてけぼり。

ただ、あそこでキッパリ別れたからこそ、最後のハッピーエンド、男の気持ちをつかむ、戻って来るにつながったわけで、元カノと繋がっているのを知って、それでも好きだから、離れるなんて出来ないから、と怒りもしないで、信じる・・なんてやったりすると、駄目になっちゃうのが恋愛なんだよね。そういった意味では、ダメにならない恋愛のコツを観たような気がします。

たいして過激なシーンもなく、他の女優さんだったら何の感想もないのでしょうが、多部ちゃんはあまりにも優等生イメージ、おぼこキャラだったため、この映画では、ずいぶん大胆な事に挑戦したと、かなりビックリの連続でしたね~。やっぱ女優さんなんだなと初めて感じました。
綾野剛も、多部ちゃんが一目惚れする、風が吹く笑顔がとてもインパクトあって、印象強くよかったです。
そして、この映画の監督は、田口トモロヲなんですね。観終ってから調べて知りました。80年代インディーズが盛り上がっていた時のパンクロックバンド「ばちかぶり」のボーカルで、ナゴムレコードのボス、バンド有頂天、その後、劇団ナイロン100℃のケラ主催の劇団健康に抜擢され、演劇の道に。その劇団健康、子供の時に観に行ってましたよ!!

特に監督臭の強い映画でなく、スムーズに観れる、レディース漫画をスマートに映画化したと思いますが、度重なる劇団のシーンなどは、さすが演劇の世界にいただけある、リアルな感じかも。(雑魚寝の感じとかね)
木村文乃のイケイケ女、松坂桃季のオカマキャラなどは、ちょっと無理ある感あれども、作品を邪魔するほどではなく。最後、爽快感ある終わり方なのはよかったです。終わり良ければ総て良しといいますしね。では。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ(古い)。