lapinchicの日記

色々思うままに書いていきます。

アオハライド

咲坂 伊緒 集英社 ¥ 432 (2011-04-13)
 
古典恋愛少女漫画魂、死滅せず。
映画化、カバー絵の魅力で気になっていたアオハライド、新品で揃えるほどではなく、中古だとまだ高いため、ネカフェでまとめ読み。直後じゃないと、すぐ忘れちゃいそう、鉄は熱いうちに。  


コミック内の丁寧な作者からのコメントからもうかがえる、生真面目に真面目に(同じか・・)、高校生の学生恋愛を描いています。作者いわく、王道恋愛少女漫画とのことですが、ライバル社小学館少女コミックがエロエロになって、パラパラめくるとビックリ状態な昨今、いいですよね、伝統の別冊マーガレットで、恋して、ドキドキして、どう気持ちを伝えようか悩んで、軽くすれ違って、基本に忠実、古典的な伝統芸をしっかり受け継いで、非常に好感度高いです!つまんないけど。

別にすれ違う必要のない2人が、無理矢理たいして強力でもないライバルの登場のためすれ違って、結局、ライバルを無駄に傷つけて、自分の気持ちに正直になって終わり。菊池冬馬くんとか、ほんと話を引き伸ばすためだけのキャラという感じで、出てくる度テンション下がり、読むのが面倒くさい気持ちになりました。
大体において、他の人を好きでいてもいいから付き合って欲しいという、好き<付き合うというのは、現実でも漫画でもダメダメ過ぎる行為です。人生において、気をつけましょう。

洸の最後の方の怒涛の自分勝手な双葉へのプッシュには、応援したい気持ちもなくなる展開ではありましたが、好きになる、くっつく以外何もテーマはない学園ものの恋愛漫画においては、主人公たちの心情が肝です。そういう意味では、こんな若い子でも、すぐに何でも言える訳でなく、相手の気持ちに悩んだりしながら、気持ちを伝えられず、臆病に過ごします。自分の気持ちを伝えるというのは、こんなにもハードルが高いんだと、あらためて告白の崇高さと難しさに気づかせてくれたりします。
それって年齢に関わらず、全世代共通。真剣な恋愛ほど、性愛抜きのピュアなものなんだよ。だから、こういう王道少女漫画は死滅してはいけないんだよね。例え、目新しさがなく、ありがちだとしても。現代でこれだけ化石のように古典的な少女漫画がヒットしているとは驚いた。つまんないけど、必要な作品だと思います。

あとは、同調社会の友人関係の難しさなどもあって、この時期の特に多感な人間関係も真面目に描いていて、よいと思います。コミックのカバー絵が非常にキレイで、その吸引力で沢山の女子小中高生にコミックを手にして欲しいものです。