lapinchicの日記

色々思うままに書いていきます。

駆込み女と駆出し男

駆込み女と駆出し男 [DVD]

駆込み女と駆出し男 [DVD]

  • 発売日: 2015/11/26
  • メディア: DVD
 

 

知人の最近観た映画だということで知って、調べたら評判がいいので観てみた。結構ホロっとして、ちょくちょく泣きながら観た。
江戸時代に幕府公認の縁切寺であった東慶寺を舞台に、その聞き取り宿と離縁を求めて駆け込んで来た女たちとの縁切りできるまでのエピソードを描いた作品。       
大泉洋って、あのひょうひょうとした雰囲気が嫌いであまり好きじゃなかったのだけど、この映画ではそれが救いになってよかった。
結構、陰惨なエピソードが多いのに、前向きでユーモラスなのは、大泉洋などキャラクターと演出によるものが大きい。
例えば、内山理名の旦那が乗り込んできて、御用宿で血なまぐさい事が起きるが、多分その時、味方側の山崎一とか切られて死んじゃってるように見えたのだけど、感情的な場面を省くことによって、さらっと流れていく。

御用宿や縁切り寺のような稼業をしていると、こういう出来事は今後も起こりうることかと思うし、暴力をおびえて、恐怖や不安に支配されたら出来なくなってしまう。武力を持たなくても、信念で凛として対処する、人間にはおびえて主張せずの行動をとるときも多いが、人の心の強さと明るさで、世の中をよくして来た一面もある。

救いのない地獄を描く作品もある。それも世の一面として描くのもいいだろう。また、この作品のように崖っぷちの人生から抜け出したくて勇気をもって踏み出す、そして掴み取る。前向きな気持ちを失わない作品を見て、おすそわけのように元気をもらうのも作品を見る楽しみだ。生きるのって、生き抜くのって、すごく大変なことだから。

映像、東慶寺の風景などとてもきれいだった。演出のテンポがよく、だれない。人情、まさに人の情けを描いた映画だけど、傾きすぎてくさくなりすぎることはない。江戸時代も、今とおんなじような人生の苦労があるんだなぁと思った。完成度の高い良作です。