lapinchicの日記

色々思うままに書いていきます。

あすなろ白書

 かつて月9のTVドラマでも高視聴率であり、トレンディドラマ(死語)の原作として次々ヒットを出していた柴門ふみの代表作、あすなろ白書

分厚い愛蔵版で第1部3巻、第2部3巻と計6巻所有していたが、かさばるし重いので一旦処分(中古屋へ)、でもまた読みたくなり、文庫全3巻で買い戻した。                 

お話は主人公なるみと掛井君を中心にその他主要な登場人物の恋愛を中心にした高3の出会いから20代後半にかけての成長物語という感じだろうか。

男を知らない状態の高校生のなるみから、あこがれていた掛井と両思いになる大学時代、そして幸せでラブラブな時間を過ごすかと思いきや、情緒不安定になり、あっという間に破綻。

掛井と別れた後、大学を出て秘書として就職。その後恋愛はせず、仕事に力を入れる日々。恋を自ら壊してしまう子供だった自分を変えたくて、成長したくて、認められたくて、(認めて欲しい掛井とは会うことも無いけれど)一人頑張るなるみの姿は、かつて同じ年のころに同じような経験をした自分の姿とダブる。(私の過去の恋愛事情を知っている友達がここを読んだら、確かに~って思うだろうなぁ・・・)

人にはいろんなタイプがおり、好きな相手と付き合えたら「この人ホントに私のこと好きなんだろうか・・」、「もっと自分を好きになってもらうためには」などというような不安や迷いなどは一切起こさず、つかんだものは離さない、浮気されようが、足蹴にされようがおかまいなしで何事もなかったかのように見てみぬ振り、ベタっと始終自分から近寄り監視(?)するようなタイプ、リアルでいますが、こういう人は強いですね。なるみのようなことは起きません。

壊れる原因を作らないので付き合いは長く続きますが、周りから見ても素敵じゃない関係に見えたりするカップルだったりする場合が多い。お互いぶつかり合わず、高め合わず、ぼんやりとした不足感を相手が感じたりして、なんで付き合ってるんだろ?と端から見える状態だったりする。
多分、そういう女の子は相手をホントに好きではないんだと思う。自己愛が強い自分が一番好きで人を愛せないタイプなんだと思う。

誰かを本気で好きになったら、自分の知らなかったような激しい感情や不安、嫌な自分が生まれてきて、感情的になりやすいものだと思う。だから私やなるみみたいなことは、とても普遍的なことなんだろうなって思う。
感情をぶつけて、取り返しのつかない失敗をしたような状態を作ってしまうかもしれないけど・・・。

感情をぶつけてしまったことから起きた破綻は相手からすると何で駄目になったのかよく分かんないだけだったりするから、相手からすると取り返しのつかない失敗でもなんでもなくて、自分の側の問題だったりするんだろうね。

なるみもそうだったけど、情緒不安定な自分が一番嫌だったから掛井君と別れたんですね。そして自分を変えなければ、一緒にはいられないから、自分を変えようとして大人になろうとする。

まぁ、漫画は二人とも他の人を経て、紆余曲折の後、最後なるみと掛井君は結婚し、ハッピーエンドとなっていますが、連載ではコミックス未収録のその後の話もあったそうで、掛井君その後浮気するんかい・・、なんてことを予想させることがあとがきに載っていました。

柴門ふみは絵が魅力的でなく、キャラの性格をエピソードではなく、登場人物に説明させて伝える傾向があるから、漫画としてはあまり好きではないのですが、でもなんだかんだと何回も読み返したりしています。
この作品も何回もリピートして読んでます。長い付き合いで結構思い入れあったりする作品です。